毎年5月1日になると、ニュースなどで「メーデー」という言葉を聞きませんか?たくさんの人が集まって、何やら訴えている映像が流されます。
一体メーデーって何でしょうか?あの人たちは何を訴えるために、集まっているのでしょう?
メーデーとは
簡単にまとめると、メーデーとは、5月1日に労働者が集まり、団結・連帯して労働者の権利について主張する日のことです。
詳しく見ていきましょう。
メーデーという名称は「May day」で、単語の意味は、May=5月 day=日(5月の日) です。文字通り、毎年5月1日がメーデーとなっているんですね。
メーデーの集会は、日本労働組合総連合会(連合)と非連合系の全国労働組合総連合(全労連)や全労協によって開催されています。
メーデーに参加しているのは、各企業の労働組合の組合員やその家族たちです。
労働者の集会というと、真っ先に思い浮かぶのが「春闘」ですね。春闘では具体的な賃金の引き上げ要求(ベースアップ)などをしています。雇われる側が雇う側に対して起こすアクションですね。
しかし、メーデーは誰かに対して、そういった具体的な交渉をするわけではなく、みんなで集まり、労働者の権利などについて確かめ合って、団結してデモンストレーションをする場といった感じです。
メーデーの由来・始まりは
現在のメーデーの始まりはアメリカです。きっかけは、アメリカのシカゴで行われたストライキでした。
1886年の5月1日に、合衆国カナダ職能労働組合連盟が、労働時間を8時間に!という要求を掲げ、ゼネラルストライキを起こしました。当時は賃金が低く設定されていた上、1日の労働時間がなんと12時間〜14時間と、長時間にわたっていることが当たり前の労働環境でした。当時のアメリカの労働者たちにとって、労働時間短縮は切実な要求だったんですね。
今のように、自分でビジネスを立ち上げるのが簡単ではなかった時代、環境を改善するには、労働者自身が立ち上がり、ストライキなどの行動に出て、変えていくしかなかったんです。
これが、国際的に労働組合に波及していき、1890年の5月1日に「第一回国際メーデー」が開催されました。この流れがだんだん定着していき、現在のように、5月1日にメーデーとして、労働者の権利を主張する運動・集会などが開かれるようになりました。
日本では1920年5月2日に、第一回メーデー集会が東京の上野公園で開かれました。約1万人の労働者が集まり、「八時間労働制の実施」「失業の防止」「最低賃金法の制定」などを訴えました。その後一時禁止されましたが、再び開かれるようになり今に至ります。
メーデーの集会では何をするの?
メーデーの集会で、労働者の権利を主張するということはわかりました。では具体的にどういったことをするのでしょうか?
2015年に東京の代々木公園で開かれたメーデー中央大会では、以下のような内容でした。
- 大会実行委員長からのあいさつ
- 来賓からのあいさつ
- 来賓の紹介
- NGO・NPO連帯挨拶
- 非正規労働者からの訴え
- 東日本大震災、被災地からのアピール
- メーデー採択宣言
- 特別決議採択
- 閉会あいさつ
- がんばろう三唱
他に、デモを行ったりするところもあります。また、参加している組合員の家族が楽しめるいろいろなイベントが開かれるところもあります。
メーデーは5月1日ですが、集まりやすい土曜日や4月29日(昭和の日)に集会を行う場合もあります。
メーデーはお休み?
世界では、80カ国以上の国でメーデーを祝日としています。
日本では、5月1日のメーデーは、祝日ではありませんが、会社によっては休日みとして設定されている場合があります。
日本でもメーデーを祝日に、という動きがありますが、ゴールデンウィークの休みが続きすぎて、金融市場への影響がでることを懸念して、祝日化には至っていません。
最後に
名前は知っているけど、どんな内容だったかよくわからなかったメーデーってこんな日だったんですね。
今年の5月にニュースでメーデーのことをやっていたら、ここの内容のことを思い出してくださいね!