「夏もち〜かづく♪」と来たら何と返しますか?
はい、その通り。「八十八夜♪」ですね!「茶摘み」を歌った歌です。五月の茶摘みのシーズンになると思い出しますね。
茶摘みの歌を歌いながらの、手遊びがあるのを知っていますか?年配の方なら、やったことがあるんじゃないでしょうか。今でもできますか?
童心に返って、一緒にやってみましょう!
「茶摘み」の歌詞をおさらい
まずは、茶摘みの歌の歌詞とメロディーをおさらいしておきましょう!
「茶摘み」は、文部省唱歌です。音楽の教科書にも載っている日本の伝統歌ですね。小学校では、「摘」という感じを習わないため、小学校の音楽の教科書では「茶つみ」と、ひらがな表記になっています。
歌詞は、まさに茶摘みの様子を表した内容ですね。作詞者・作曲者は不詳となっています。
夏も近づく八十八夜
野にも山にも若葉が茂る
あれに見えるは茶摘みじゃないか
あかねだすきに菅(すげ)の笠日和(ひより)つづきの今日このごろを
心のどかに摘みつつ歌ふ
摘めよ摘め摘め摘まねばならぬ
摘まにゃ日本の茶にならぬ
5月の青く晴れた空の下、富士の裾野の茶畑で、女性達がせっせと綺麗な黄緑色の茶葉を摘んでいる様子が、目に浮かびますね!
1番は知っていても、2番まで歌える人はあまりいないんじゃないでしょうか?2番の歌詞もいいですね。最後の「摘めよ摘め摘め摘まねばならぬ 摘まにゃ日本の茶にならぬ」と言うところが、頑張って日本の家庭のためにお茶を摘んでくれてるんだなぁ、という感じで、ちょっと嬉しくなっちゃいますね。
○あかねだすき
「あかねだすき」は、漢字だと茜襷で、「あかね色(赤)のたすき」のことです。茶摘みの時に、赤いたすきをかけていますが、あれのことです。
○菅(すげ)の笠
菅の笠は、菅で編んだ三角の笠のことですね。昔話の「笠地蔵」ででてくるあの笠です。
茶摘みの時には、頭にてぬぐいだけをかぶっている姿をよく見ますが、その上から菅の笠をかぶって作業をしていることもあります。
「茶摘み」の手遊びをやってみよう!
さて、歌詞もわかったところで、歌いながら手遊びもやってみましょう!こんな可愛らしい女性2人が、手遊びの仕方を教えてくれています。
手遊びの定番、「せっせっせーのよいよいよい♪」で始めます。リズムの取り方が、なかなか難しいですね。
この手遊びの動作は、実際の茶摘みの際に、茶葉を摘む動きに似せたとも言われています。最後に2人の手で、菅の傘を編んでいるように形作っているところが可愛いですね!
子供たちでも年配の方でも、みんな楽しめる手遊びなので、ぜひやってみてくださいね!こういった手遊びは、ずっと伝えて、続けていたいですね。
八十八夜とは、どういう意味?
さて、歌詞にでてくる「八十八夜」。一体とういう意味なんでしょうか?
八十八夜とは、立春から数えて88日目のことを指します。2023年の場合だと、立春が2月4日ですので、八十八夜は5月2日となります。毎年ずれたりしますが、だいたい5月のはじめと思っておけば大丈夫です。
八十八夜は、春から夏に移り変わる節目の日で、もう霜などが降りなくなって夏の準備をする日です。気候も良くなるということで、茶摘みや、お米作りなど、農家の人たちにとって、目安になる大切な時期とされています。米の漢字は、「八十八」からできていますね。農作業を始めるのに縁起のいい日だったんですね。
茶摘みの歌のおかげで、八十八夜とお茶がイメージとして一番強く結びついていますが、実際は茶葉の産地の気候によって、茶摘みの時期には幅があります。しかし、一番茶を摘む時期は4月20日〜5月20日となっており、八十八夜の前後が茶摘みの時期であることは間違いありません。
また、八十八夜は縁起のいい日ということで、八十八夜に摘みとられたお茶は、縁起物として人気があります。また、八十八夜の新茶を飲むと病気にならないともいわれています。実際、お茶の新芽の成分は八十八夜の頃が一番豊富になっているんですよ。
最後に
日本人にとってお茶は無くてはならないものですね。
今年の八十八夜には、ぜひ茶摘みの歌をうたいながら手遊びをしてみてください。そして、八十八夜に摘んだ新茶を飲んで、1年を健康にすごしてくださいね!