お盆休みに、実家に帰ったり、祖父母の所に遊びに行くと、夜に町内の空き地で、盆踊りが行われていたりしますよね。遠くから盆踊りの音が聞こえてくると、とってもわくわくします。
大人も子どもも、みんなで櫓(やぐら)のまわりを回りながら踊る「盆踊り」は、日本の夏という感じがして、風情があり楽しいですね。
この「盆踊り」、ただ楽しいな〜と思って参加していましたが、何か特別な意味があるんでしょうか?「盆踊り」というからには、お盆にまつわる背景があるのかな…?
見ていきましょう!
お盆に盆踊りをする意味は?
今、わたしたちが持っている盆踊りのイメージは、「楽しい夏祭り」ですよね。浴衣を着て出かけ、盆踊りの輪に入って踊り、そして、疲れたら夜店で綿菓子やかき氷を買って食べたり、金魚すくいをして遊んだりもしますね。楽しい夏の娯楽になっています。
でもこの「盆踊り」、仏教行事の一つだったんです。
お盆は、ご先祖様があの世からこの世へ帰ってくる時期ですよね。もともとの盆踊りは、このご先祖様の霊を慰め、供養するために踊るものでした。
盆踊りはいつ踊る?
今はお盆の期間でなくても盆踊りが催されますね。でも、上でご説明したとおり、盆踊りはもともと、お盆にあの世からこの世に帰ってきたご先祖様のための仏教行事です。ですから当然お盆の期間中に踊るものでした。
具体的には、お盆の期間(旧暦7月13日〜16日)の15日の夜に盆踊りをしていました。翌日の16日には、ご先祖様はあの世に帰らなくてはなりません。そのため、15日の夜にみんなで盆踊りをして、精一杯ご先祖様の霊を供養していたんですね。
盆踊りの起源・由来は?
盆踊りの起源・由来については諸説ありますが、踊り念仏がもとだという説が主流です。
踊り念仏
踊り念仏というのは、字の通り「念仏を唱えながら踊る」事です。平安時代のお坊さん、空也(くうや)が考案したといわれていますが、確かではありません。踊り念仏は、なんとかお念仏の教えを民間にも広く伝えたいと考えられたものです。みんなで輪になってぐるぐると回りながら、念仏を唱え踊っていました。
確かに踊りながらであれば、楽しいし、お念仏が憶えやすいかもしれませんね。その後、鎌倉時代には、時宗(じしゅう)のお坊さん、一遍上人(いっぺんしょうにん)が、踊り念仏のさらなる普及に努めました。
そして、この「踊り念仏」が、お盆の行事と結びつき、「盆踊り」となります。お盆にみんなで輪になって盆踊りを踊り、その真ん中にご先祖様に来ていただいて、しっかりと供養をするようになるんですね。
これがだんだんと一般に広まっていき、民衆の娯楽的な意味合いが強くなっていきます。そして、現在のように、踊って楽しむ夏の行事と変化していきました。
人気のある盆踊りの振り付け
今ではすっかり夏の楽しい行事になっている盆踊り。この夏、盆踊りに行ってしっかり踊れるように、メジャーな盆踊りの踊り方を動画でご紹介しておきますね。
●東京音頭
東京音頭は絶対に盆踊りでは出てきますので、要予習です。
●炭坑節
炭坑節も定番ですね!何だか踊りたくなりますね。
盆踊りではご先祖様を供養しよう
今年も夏に各地で盆踊りが催されることでしょう。もしあなたも盆踊りに行く機会があったら、ぜひ輪のなかに加わって盆踊りをしてくださいね。それがご先祖様の霊を慰め供養することになります。そして心の中で、ご先祖様の霊へ供養の気持ちを伝えましょう。
きっと、ご先祖様は嬉しい気持ちであの世に戻っていかれるはずです。