クリスマスと言えば、綺麗にデコレーションされたクリスマスツリーを想像しますね。クリスマスのシンボルとして、11月下旬や12月初旬の時期になると、外出すると街のお店やウィンドウにも、ツリーをたくさん見かけますね。
もちろん、お家の中でもクリスマスツリーを飾って、下にプレゼントを置く場所にしている方も多いかもしれません。
なんだかとってもハッピーな気分になれる、このクリスマスツリー。一体なぜ飾るようになったのでしょうか。
そこで、クリスマスにどうしてツリーを飾るの?と不思議に思っている方に、その理由や由来をご紹介していきます。飾り付けの意味もありますので、ぜひチェックしてみてくださいね〜。
クリスマスツリーの由来
クリスマスの12月24日はキリスト誕生の日、ということでクリスマスツリーはキリスト誕生を祝うための飾りと思っている人は多いと思います。でも、実はクリスマスツリーとキリスト教、もともとは何の関係もなかったっていったらびっくりしますよね。
一体どういうことなのか、見ていきましょう。
クリスマスツリーのはじまりは?
大元のクリスマスツリーの由来については諸説あるので、どれが最初なのかというのはわかりません。有力な説をご紹介しますね。
古代ヨーロッパ北部、北欧ゲルマン民族(バイキング)の間で行われていた、冬至のお祭り「ユール」がもとであるという説です。
キリスト教がまだできる前の話なんですよ。
北欧では冬至の頃は昼でも暗く極夜の状態が続くので、早く太陽がまた出るようにと始めたのがユールというお祭りです。
ユール祭りでは、北欧神話の神々にお供え物をして、みんなで飲み食いをしてお祝いをしました。また冬至には魔女や悪魔、霊などが現れると考えられているので、悪いことがおこらないよう、ご馳走などを用意していたんです。
そして、このお祭りでは、森で木を切ってきて、家へ運ぶという習わしがありました。そして、その木の幹を燃やして、冬至の暗い時期に太陽の光を想うのです。
これがクリスマスツリーの大元の始まりではないかと言われています。
その後、ゲルマン民族が南下して、ドイツなど他の地域にもこういった習慣が伝わり、変化していったと考えられます。
現代のようにクリスマスツリーを飾るという習慣は、ドイツから世界に広まったと言われています。そういえば、現在でもオーナメントやモミの木を買えるドイツのクリスマス市場は、とっても有名ですね。
昔のドイツでは、年末に木を飾る習慣があり、枝には色紙やリンゴ、お菓子で作られた薔薇などが飾られていました。もう現在のツリーと同じですね。
これがさらに広がっていったといわれています。そして、その後の電気の出現によって、飾りがライトなどに置き換わって、今のツリーの形態になっていきました。
こういった過程で、キリスト教が融合していきます。もともとあった地域の習慣など、をうまくキリスト教の教えの中に取り込みながら、布教していったんですね。その結果、もともとキリスト教徒は関係のなかった冬至の行事に、キリスト教の教えの意味をもたせました。
三角形のクリスマスツリーの形を、「父と子と精霊」に当てはめたわけです。このようにして現在のように、イエス・キリストの降誕祭であるクリスマスに、ツリーを飾るという行為が定着したと思われます。
クリスマスツリーの木はもみの木?
ずっと昔、冬の時期を過ごす人たちにとって、1年中緑の木々(常緑樹)は特別な存在でした。そして、常緑樹の枝が幽霊や魔女。悪霊などを追い払うと信じられていたので、窓辺に飾ったりしていました。
「常緑」ということから、「永遠の生命」といった力強い意味合いを感じるものだったんですね。このように、もともと人々が持っていた、常緑樹に対する考えがベースになっているということです。
ですから海外では、クリスマスツリーの木は、冬に葉の落ちない常緑の針葉樹であれば何でも良いと考えられていることもあるんですよ。
現在、日本など多くの国では、クリスマスツリーといえば「もみの木」ですが、もみの木にはラテン語で「永遠の生命」という意味があり、考え方としては同じといえますね。
クリスマスツリーを飾る理由
もともとはキリスト教徒は関係がなかったツリーですが、前述のように、もともと地元にあった冬至のお祭りを、キリスト教の教えに当てはめて現在のようなクリスマスツリーの使い方になってきました。
クリスマス自体がイエス・キリストの降誕をお祝いするお祭りですので、現在のクリスマスツリーはキリストのために飾っているといえます。
また、下でご紹介しますが、ツリーに飾るオーナメントにも、キリスト教的な意味あいが付け加えられています。
すべてがイエス・キリストを称え、お祝いするためのものとなっており、それがクリスマスツリーを飾る理由となっているんですね。
クリスマスツリーの飾りつけの意味
大半の人がキリスト教ではない日本では、何気なくオーナメントを吊るしていますね。でもあの飾りには、それぞれ意味があることをご存知でしたか?これらにはキリスト教的な意味があります。
星
ツリーのてっぺんには、よく星が飾ってありますね。あれはベツレヘムの星を表しているんです。イエス・キリストはベツレヘムの馬小屋で生まれました。聖書では賢者3人が産まれたイエス・キリストを訪ねますが、その時に、賢者を導いたとされる星を表しています。
ベル
ベルの飾りは、キリスト誕生を喜ぶ天使の鐘です。ベルには魔よけの意味もありますね。
丸いボール
ツリーには丸いキラキラしたボールを飾りますよね。あれは、もともと飾られていたリンゴの代わりです。旧約聖書の創世記に出て来る、最初の人間、アダムとイブが食べた、知恵の木の実を表しています。
キャンディの杖(キャンディケイン)
キャンディケインとよばれる杖型の飾りは、キリストが人間を導くためのものです。杖を逆さにすると、Jesus(イエス)のJの文字のように見えますね。イエスが迷える子羊を救うという意味なんですね。
ロウソク(キャンドル)
炎が美しいロウソクも、飾りとしてよく見ますね。これは、世の中を照らす光であるイエス・キリストの象徴としての飾りです。
由来を想いながらクリスマスツリーを飾ろう
クリスマスツリーの由来や、飾りについてご紹介してきました。
古くから地域に根付いていた冬至のお祭が、民族の移動などで広がり、そこにキリスト教の教えが融合し、今のようなクリスマスツリーとなったんですね。
もともとは、クリスマスツリーがキリスト誕生と関係なかったなんて、忘年会やクリスマス会で話したら盛り上がりそうです。
また、オーナメントの一つ一つの意味を考えながら飾れば、いつもと違った気持ちでクリスマスツリーを飾り付けることができますね。
今年のクリスマスは、クリスマスツリーの由来となった、遠い昔のお祭りに心を馳せてみてくださいね!
楽しいクリスマスシーズンをお過ごしください!