男の子が産まれたとき、健やかに成長を祈って揃える五月人形。素敵ですね。
でも、何となく、五月人形って、これからぐんぐん成長していく小さい男の子が飾るイメージがありませんか?高校生や大学生の男の子が、飾って祝うという感じではないですよね?
五月人形は何歳まで飾るものなのでしょうか。また、男のお子さんが、独り立ちしたり結婚したりして、家を出たら、実家に残された五月人形はどうするのが一番いいの…。子どもの成長を一緒に見守った、思い出深い五月人形を、簡単に捨ててしまっていいの…?
あなたがそんなふうに悩んでいるのなら、ぜひ読み進んでください。
五月人形は何歳まで飾る?
そもそも五月人形は、男の子が何歳になるまで飾るものなのでしょうか?
これに関しては諸説あるのですが、いくつか区切りがあります。昔から現代まで、何歳まで飾られてきたのかについて見ていきましょう。
7歳まで
今と違い、昔は乳幼児や子どもの死亡率が高かったため、数え年の7歳まで無事に育った子どものみを、戸籍に登録しました。7歳まで育てば、あとは安心ですね。
このような背景から、数え年7歳までは、子どもが元気で立派に育つよう、願いを込めて五月人形を飾り、その後は神社に奉納していました。
元服(成人)まで
元服とは、男の子が成人として認められる儀式のことです。
昔は男の子がだいたい11歳から16歳の時に、元服をし、成人となりました。今の成人は20歳ですから、かなり若いときにすでに成人していたわけですね。
そのため、これを受けて、数え年15歳のお正月に、成人した報告と感謝・祈願をしに、氏神神社に行きました。
五月人形は15歳まで飾り、元服したら神社に奉納していたんですね。
現在では
現在では、五月人形を何歳まで飾る、といった 決まりはありません 。
もともとの、五月人形を飾る意味である、男の子が健やかに立派に成長する願いをこめる、という事ですし、何歳になっても飾ってかまいません。
ただ、実際はお子さんが高校生くらいになると、五月人形などに興味がなくなってきますので、飾らなくなってしまう家庭も多いですね。
ご家庭ごとに判断 していただいて大丈夫です。
五月人形の処分方法
五月人形をいつまで飾ってもいいと言っても、男のお子さんが、結婚して実家を出てしまった場合、残されたご両親は、どうしたらいいのか迷いますよね。
もうずっと押し入れにしまいっぱなし、なんてご家庭も多いんじゃないでしょうか。
人形供養に出す
ずっとお子さんを守ってくれた五月人形ですので、ゴミとしてに捨ててしまうのは、心苦しいですね。
その場合は、 人形供養 に出して、処分してもらう方法があります。
一度、お近くの神社で人形供養をしていないか相談してみてください。もし、近くに無い場合は、郵送して供養してもらうことができます。
下のリンクは、供養をしてくれるところの一例です。
お金だけ取っておいて、供養もせずそのまま捨ててしまう、悪質なところもありますので、神社など、ちゃんとしたところでお願いしましょう。
子どもや孫に受け継がせる
雛祭りの雛人形がそうであるように、五月人形も一人に一飾り、というのが基本です。
ですが、家族みんなが納得するのであれば、子どもの父親やおじいさんから、お下がりの五月人形を 受け継ぐ 、というのも素敵ですね。
また、子どもにはちゃんと新しい五月人形を買って、さらにその横に、父親の五月人形を一緒に飾っているという、微笑ましい家庭もあります。
捨ててしまうよりもいいですね。
感謝して処分しましょう
五月人形を、子どもや孫に譲るにしても、最終的にはいつか、処分する事になりますね。自分で捨ててしまうにしても、供養に出すにしても、ずっと子どもさんの成長を見守ってくれた五月人形に、感謝の気持ちをもってお別れしたいものですね。
可能であれば、大人になった息子さんと一緒にできるといいですね。五月人形も、立派に育った息子さんを見届けて、安心できることでしょう。