秋のお月見は風流でいいですよね。気候も涼しくなってきていて、ゆっくりと空の月を眺めるのには絶好の季節です。
お月見というと、お月見団子が頭に浮かびますね。この時期になるとスーパーにもお団子が並んでいます。ススキもつきものですね。その他には何かお供え物ってあるんでしょうか?
今年のお月見には、伝統的なお供えを用意して、いつもよりいっそう日本を感じるお月見にしてみるのも楽しいかもしれません。
お月見に必要なお供え物のリスト、また、なぜお供え物をするのか、それぞれのお供え物の意味などを見ていきましょう!
お月見のお供え物は何のため?
今の「お月見」というと、綺麗な満月を愛でて楽しむ、という印象がありますね。実は、お月見はもともと、農作物の収穫を祝い、感謝する行事だったんです。
でもどうして、そこに空の「月」が関係してくるんでしょうか?
それは、月が信仰の対象であり、豊穣の象徴でもあったからなんです。
このことから、月に対してお供え物をして、作物の収穫への感謝の気持ちを表すようになったんですね。
お月見のお供え物と飾り方
さて、ではお月見の時には何をお供えするのかを見てみましょう。
- ススキ
- 団子
- 里芋
ススキ
秋のお月見と言ったら、やっぱり「ススキ」ですよね。
最近は野原などがなくなってしまい、ススキを見る機会が減りましたが、スーパーなどで売っていますので買ってくるといいですね。
お月見でススキをお供えする理由は2つあります。
- お米の豊作への感謝・祈願
- 月の神の依り代(よりしろ)として
- 魔除け
ススキは先の方が垂れていて、ちょっと稲穂に似ていますよね。そのため、稲穂のかわりとして使われています。
お米をはじめとした農作物がが丈夫に育って豊作になったことへの感謝、そして来年もまた豊作であるようにと願いが込められています。
稲穂は月の神の依り代(よりしろ)、つまり、月の神が降りてきたときに宿るところでもあるんです。
また、ススキの葉っぱは両端が鋭くなっていますよね。
手を切ったことがある人も多いと思いますが、この鋭利さのため、「魔除け」としての意味もあります。
そのため、十五夜でお供えしたススキを軒先に飾っておくと、病気をしないという言い伝えもあります。
飾るススキの本数は、1本だったり5本だったりと、所によってまちまちです。あまり本数にこだわる必要はありません。
団子
お月見と言ったらお団子ですよね。白くて丸い、お月様のようなお団子が一般的ですね。そして、十五夜ということで、団子の数は15個です。
収穫したお米から団子を作り、お供えしたのが由来となっています。
お月見団子は台の上にプラミッドのように積み上げられているのを見ますよね。お団子を乗せるのは三方(さんぽう)がお月見っぽいですが、お皿でもOKです。
基本的な並べ方は3段です。白い半紙を三角に折って敷いてから並べましょう。
- 一段目…9個(3個×3個)
- 二段目…4個(2個×2個)
- 三段目…2個(上下タテに)
お月見の団子は、場所によって形が違うことがあります。
- 関西…細長い里芋型の団子
- 京都…細長い里芋型の団子で、外側にあんこを巻く
- 名古屋…細長い里芋型の団子で、白・ピンク・茶色の三色ある
お月見でお供えした団子を食べると、また1年健康で過ごせると考えられていました。
里芋
里芋はちょうど秋の十五夜の季節に収穫されます。そのため、十五夜のお供えとして用意することになっています。十五夜が別名で「芋名月(いもめいげつ)」とも呼ばれる理由は、これだったんですね。
里芋はそのままでもいいですし、煮たり、皮のまま湯でたりと、料理した物でも大丈夫です。
その他
お月見は基本的に農作物などの収穫に感謝する行事ですから、その季節にとれた物をお供えすればOKです。また萩など、秋の花などもおすすめです。
お月見のお供えを飾る位置
お月様へのお供え物なので、しっかりと月が見えるところに飾りましょう。縁側や大きな窓のところがおすすめです。
お月様側から見たときに、左側にススキ、右側に里芋・月見団子が来るように並べます。
まとめ
お月見とは、美しい月を愛でる行事ではなく、農作物の収穫を祝い、豊穣の象徴である「月」に感謝する行事だったんですね。
今年の秋の十五夜には、ススキ、団子、里芋などを飾って、豊かな自然と食べ物に感謝つつ、月を眺めてくださいね!
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