夏のお盆に祖父母の家や親戚の家に遊びに行くと、仏壇にはお盆の飾りがしてありますよね。そこに、きゅうりとなすで作った動物のようなものも、あったんじゃないでしょうか。面白いですよね。
あのお盆の飾りには、一体どういう意味があるのか知っていますか?実はご先祖様を思う気持ちが込められているんです。
一緒に見ていきましょう!
お盆の飾りのきゅうりとなすの意味は?
お盆によく見る、きゅうりとなすの飾りは「精霊馬(しょうりょううま)」といいます。そして、きゅうりとなすのそれぞれは、
●きゅうり:足の速い馬(うま)
●なす:足の遅い牛(うし)
をかたどった物です。
お盆というのは、先祖の霊を供養する行事ですよね。毎年8月15日頃のお盆の期間には、ご先祖様があの世からこの世に帰ってくることができます。
実はお盆に飾る、きゅうりとなすで作った「精霊馬(しょうりょううま)」は、ご先祖様があの世とこの世を行き来するときに乗る乗り物なんです!
でもどうして、「きゅうりの馬」と「なすの牛」がいるんでしょう?
実は、きゅうりの馬は、ご先祖様があの世からこの世に来るときに使い、なすの牛は、この世からあの世に戻るときに使うんです。
ご先祖様がこの世に来るときは、足の速い馬に乗って早くわたしたちに会いに来られるように。そして、お盆が終わってあの世に帰るときは、名残惜しいので、足の遅い牛に乗ってゆっくりと、そしてたくさんお土産を持って帰っていただけるように。
わたしたちのご先祖様にできるだけ長く、この世にいてほしいという願いが込められていたんです。こうしたご先祖を敬う気持ちは素晴らしいですね。
精霊馬(しょうりょううま)の作り方
精霊馬の作り方は簡単です。用意する物は以下です。
- きゅうり
- なす
- 割り箸(楊枝)
きゅうりとなすに、割り箸や楊枝で、4本足をつけるだけです。
特に決まりはありませんが、頭になる方を少し上に向けて上げると、前向きな感じですし、ご先祖様も乗りやすいんじゃないかなと思います。
お盆の飾りのきゅうりとなすの処分の仕方
お盆が終わったら、なすの牛ときゅうりの馬はどうしたらいいんでしょうか?
お盆の最終日に、送り火を焚いてご先祖様をお送りしたら、お盆のお花や飾りなどは、まとめて菩提寺に持って行き、お焚き上げしていただきましょう。
環境への配慮などで、お焚き上げをしていないお寺の場合でも、大抵はちゃんと供養をして処分してもらえます。あなたのお家のお寺に聞いてみるといいですね。(菩提寺が遠い場合は、近くのお寺でも大丈夫です。)
処分してくれるお寺が近くに無い場合は、塩で清めて白紙に包んでから捨てましょう。
お盆にきゅうりとなすを見たら思い出して
最近は、若い人だけでなく30代40代の方にも、なかなかなじみのないお盆ですが、こうやって意味を見てみると、飾りにもご先祖様へのいろいろな気持ちが込められていることがわかって、とても興味深いですね。
今年の夏にお盆で、親戚の家に行ったとき、お仏壇できゅうりとなすの精霊馬を見かけたら、「ご先祖様はこれに乗って来たんだな〜。」と思い出してくださいね!ちょっと嬉しい気持ちになるかもしれません。