暑い夏に涼しくなる方法として、いま一番使われているのは、エアコンと扇風機ですね。このところの夏は、昔とは比べものにならないほど暑いので、エアコンや扇風機は便利でいいですね。
でも、日本には、昔から行われてきた夏の智恵、「打ち水」があります。エアコンもいいけれど、地球にもお財布にやさしい、この「打ち水」を、今年の夏はぜひ取り入れてみませんか?
打ち水とは?涼しくなる原理は?
打ち水というのは、夏に地面に水をまいて、涼しくする昔ながらの涼のとり方ですね。
打ち水で涼しくなる原理は「気化熱」です。水は蒸発するときに、熱を奪っていくという性質があります。打ち水をした地面の水分が、蒸発するときに地面や地表の熱を取っていってくれるので、涼しくなるというわけです。
夏の暑い日に手を洗った時、ハンカチで拭かず、そのまま乾燥させると、ひんやりしますよね。あれと同じと考えればわかりやすいですね。
打ち水の効果はどれくらい?
さて、このとっても簡単な原理の打ち水、一体どれくらい効果があるんでしょうか?
国土交通省は毎年「水の週間一斉打ち水大作戦」を行っています。平成24年に国土交通省で、職員や学生、市民など200人が参加して行った打ち水の結果、26℃だった気温が24.5℃に下がるという結果が出ています。また、39℃だった地面の温度は、打ち水後32℃まで下がりました。
かなり効果があるということですね。
打ち水が効果的な時間帯は?
打ち水はもちろんいつやっても、効果はあるのですが、一番効果が出る時間帯があります。
それは、太陽の日ざしがかんかんに照っていない「朝か夕方」です。朝のまだ涼しい頃、また、夕方の日が沈む気温が少し下がってきた頃です。まいた水がゆっくりと蒸発していくため、涼しさが長持ちします。
打ち水が効果的な場所は?ベランダでもOK?
あなたがマンションやアパートに住んでいる場合は、ベランダに打ち水をすると効果的です。ベランダは強い日ざしを受けて、思ったよりも暑くなる場所です。朝方や日が落ちてきた夕方に、打ち水をしてみましょう。
ただし、ベランダの形状によっては、下の階に水が落ちて行ってしまうことがあります。下の住人さんに迷惑がかかっていないか確認しましょう。
一戸建ての場合は、玄関を出たところや、コンクリート敷きのところ、また、家の前の道路などに打ち水をするといいですね。
植物などを置いて、一緒に水をあげると、こちらも涼しくなる効果があります。
逆効果になる打ち水
打ち水は日中の一番暑い時に行うと、水がすぐに蒸発して行ってしまいます。そのため大量の水が一気に蒸発して、むわっとした湿気が発生してしまい、かえって不快な状態になってしまい、意味がないですね。
上でご紹介したように、朝や夕方に行いましょう。
水道水を使わずエコに打ち水
電気もいらないエコな打ち水ですから、水もエコで行きましょう!
水道水を使うのではなくて、お風呂の残り湯、雨水、クーラーの室外機の水などを使うと、さらに地球にやさしくていいですね。
打ち水を取り入れよう
エコな打ち水を広めようという運動も各地で行われています。
日本にはせっかく「打ち水」という素敵な涼み方があるんですから、ぜひ取り入れていきたいですね。
あなたも今年の夏はいちどやってみてくださいね!
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