「夏に至る」と書く、「夏至(げし)」。その名の通り、夏になった日という意味ですね。
昼の長さが一番長い日、と言うことを知っている人も多いことでしょう。でも、それ以上の夏至の意味って、よくわかりませんよね。
今回は、夏至とは何なのか、いつのことを指すのか、また、夏至に食べるものや風習はあるのか、など、今年の夏至にみんなに教えたくなっちゃう情報をまとめてご紹介します。
夏至の意味とは
2024年の夏至は6月21日(金曜日)です。
夏至の日は、たいてい6月の21日ですが、その年によって1日ずれることがあります。ちなみに今後の夏至の日にちは、以下のようになっています。
- 2025年:6月21日(土)
- 2026年:6月21日(日)
- 2027年:6月21日(月)
「夏至」の読み方は「げし」です。ちょっと難しいですね。
「夏至」という名前は、二十四節気(にじゅうしせっき)という暦の中の名称です。この暦は、1年を24に分け、季節を表す名称をつけたものです。下の表でわかるように、夏至は夏の時期を表す呼び方の一つとなっています。
【二十四節気での季名】
〈 春 〉
立春 | 雨水 | 啓蟄 | 春分 | 清明 | 穀雨 |
〈 夏 〉
立夏 | 小満 | 芒種 | 夏至 | 小暑 | 大暑 |
〈 秋 〉
立秋 | 処暑 | 白露 | 秋分 | 寒露 | 霜降 |
〈 冬 〉
立冬 | 小雪 | 大雪 | 冬至 | 小寒 | 大寒 |
夏至は、1年で最も昼の時間が長く、最も夜が短い日と言うことは多くの方がご存じですしょう。6月21日というと、梅雨のまっただ中ですが、暦的には、夏ど真ん中なんですね。
冬には「冬至(とうじ)」という日がありますが、(上の暦の表参照)こちらは、夏至とは反対に、1年で最も昼の時間が「短く」なる日です。
1年で最も昼の時間が長い夏至から、だんだん昼が短くなっていき、冬至に一番短くなります。そして、そこからまた昼が長くなっていき、夏至に一番長くなる、というサイクルになっているんですね。
夏至の食べ物や風習はあるの?
さて、この夏至の日、何か特別な物を食べたり、特別なことをする風習はあるのでしょうか?冬至には、カボチャを食べたり、ゆず湯のお風呂に入ったりしますよね。
「夏至の食べ物?う〜ん、思い浮かばないな」、という人も多いことでしょう。実は、昔は夏至のある6月は田植えシーズンであり、とても忙しかったため、冬至のように、○○を食べる、という習慣が根付かなかったんですね。
でも、残っているところもあります。地域によって食べるものが違っていますので、地域別に見ていきましょう!
夏至の食べ物〜大阪編
大阪の一部ではタコを食べる習慣があります。
タコの足は一度くっ付いたら、なかなか離れないですよね。田植え後の稲も、このタコの足のように大地にしっかりと根づいて育ってほしい、という思いからうまれた風習となっています。大阪とタコって、ピッタリ来ますね!
夏至の食べ物〜愛知編
愛知県の一部では、夏至の日にいちじく田楽を食べます。生のいちじくを半分に切り、田楽味噌を塗ってオーブンで焼き上げたものです。
いちじくは不老長寿の果物と言われているので、健康で長生きするよう食べたんですね。
夏至の食べ物〜香川編
香川県では半夏生(はんげしょう)うどんを食べます。
昔、麦の刈り入れや田植えが終わる「半夏生」の頃(7月2日頃)に、収穫後の麦でうどんを作り、農作業を手伝ってくれた人たちに振る舞ったのが、始まりです。
夏至の食べ物〜福井編
福井県では焼いたサバを食べます。
元気に田植えを乗り切るために、栄養価の高いサバを食べる風習があったんですね。これは昔、大野藩のお殿様が、田植えを頑張る農民たちにサバを食べるよう進めたことが、きっかけになっています。
こうやって各地の風習を見てみると、夏至に食べるものは、田植えに関するもの、また田植えの疲労回復のための、健康維持に関係するものとなってることに気づきますね。
夏至と、その頃に行う田植えというのは、深く結びついているんですね。
太陽はありがたい
昼の時間が1年で一番長い夏至は、日照時間が短い北欧などでは、とても大切な日となっています。夏至祭が盛大に行われ、いろいろなイベントが催されます。
日本の田植えも、太陽の光があるからこそ稲が大きく育ち、わたしたちの食を支えてくれますね。
今年の夏至は、太陽に感謝しつつ、タコや焼きサバなど、夏至の日ならではの食べ物を食べてみるのもいいですね。