あなたは、言霊を信じていますか?
信じてみるか否かは当人次第ですが、私の祖母はいつもなにかにつけて「ありがとう」と発する人でした。
祖母はリウマチを患っており、なかなか両手が思うように動かないのですが、1日の終わりに「今日もがんばって働いてくれて、ありがとうね」と両手をさするのです。そうすると、痛みが和らぎよく眠れるのよ、と話していました。
ここでは「ありがとうございます」の言霊効果を考えていきます。
言霊(ことだま)とは何か
言霊とは古代日本で、言葉に宿っていると信じられていた不思議な力のことです。発した言葉どおりの結果を現す力があるとされていました。
ポジティブな言葉であればポジティブになれるし、ナガティブな言葉であれば、ネガティブになる、といった具合です。
言葉だけに霊が宿り、言葉のみが人間に効果を与えるわけではないと思いますが、言葉で言われると、その言葉が脳内でイメージされ、感覚が言葉を体現するのだと思います。
たとえば、「この部屋にダニがいる!」と言われると、何となく体がむずがゆかったり、「この梅干しはとってもすっぱいわ」と聞くとその酸っぱさを想像し、唾液が多めに分泌されたりすることはありませんか?
これも大きな意味でとらえれば言霊の持つ力と言えますよね。
「ありがとうございます」を言うといい訳
「ありがとうございます」というと良いことが起こる、好転反応がある、のような話は、誰でも一度は聞いたことがあるんじゃないでしょうか?
人生相談や恋愛相談コーナーを見ると、回答として「ありがとうと言うのを習慣にしましょう」、といった感じで出てくることもありますね。どういう理由なんでしょうか?
ありがとうございます、は良い意味の言葉ですね。悪い意味にはなりません。
あなたが親切な行いをした相手から、「すみません」と言われるのと、「ありがとうございます」といわれるのでは、どちらが言われて心地よいでしょうか?
「すみません」では、謝る時にも使う言葉なので、謝られている気がする人もいると思います。ありがとうございます、と言われれば、誰もが「お礼を言われているのだ」と分かり、言われた相手は嬉しくなるはずです。
相手が嬉しくなっている姿を見ると、こちら側も嬉しくなるという効果もあります。
また、自分が「ありがとう」と発することで、自分の脳内にもありがとうと言う良い意味の言葉が響きます。
良い言葉を繰り返し脳内に届けていると、脳内が心地よい状態になり、潜在能力が引き出されることがあります。
能力開発のハウツー本や、子供の教育書に書かれているような、マイナスイメージの言葉を避けて、プラスイメージの言葉を使い続けるとその気になってくる、というものです。
あなたも経験したことがあるはずです。
「ありがとうございます」の言葉の意味
ありがとうは、有り難い、つまり、有ることが難しいという意味です。有ることが難しいようなことに対して発する、感謝の言葉ですね。
あなたが「ありがとう」とたくさん言うということは、あなたに「有ることが難しいような出来事」がたくさん起こっているということです。
なんだか気分が良くなってきませんか?
あなたが普段なんとも思っていないこと、たとえば、呼吸をしていること、目が見えること、バスが時間通りに来ること、食べるものがあること…。
よく考えてみると、それはすべて本当は「有ることが難しいこと」です。
こういったことに気づき、全てに感謝して「ありがとう」と言葉にして発してみましょう。
私の恩師は、「感謝と喜びが人間を創るのだ」とよく言っていました。感謝の気持ちをたえず持つことは、その人の人生を豊かにするのだと思います。
「全てのことに感謝すれば、人は幸せになれる。」そう説くのは国民の97%が幸福と感じ、幸せの国と呼ばれるブータンで最初の精神科医となったチェンチョウ・ドルジ医師です。
人間の脳は暗示にかかりやすいと言われています。ですから、自分がマイナスイメージの言葉を使えば、それが脳内に蓄積され続け、脳がマイナスイメージを持ちます。
ありがとうをはじめとしたプラスイメージの言葉を使い続ければ、蓄積されて、脳がプラスイメージを持つようになります。
我が家の長男は神経質な性格で、ちょっとでも予定がずれるとパニック症候群になることがありました。そんなときはいつも「大丈夫、大丈夫、何とかなるから大丈夫」と背中をさすりつづけました。
それで実際に何度か大丈夫だった経験を積み、長男は今でも神経質な方ですが、「大丈夫、大丈夫」と自分に言い聞かせながら落ち着きを取り戻そうとしている姿を見かけます。
言葉にはやはりパワーがありそうです。
「ありがとうございます」と言ってみよう!
言霊を信じるか否か、また言葉に霊が宿っているのか否かは定かではありません。しかし、脳科学的に「ありがとう」をはじめとするプラスイメージの言葉は有益な効果をもたらすという結果が出ています。
ホントかな〜?と思う場合は、実験だと思って、1週間ほど「ありがとう」をたくさん言ってみるのもいいかもしれません。きっと何か感じることがあるはずです。
「ありがとう」、この感謝の言葉をあなたが発する時、そして誰かから言われた時、人は優しい気持ちになりますね。
ぜひ、「ありがとう」の力を信じて使い続けてみてください!