だんだん寒くなってきましたね。そろそろ暖房を入れ始めようかな〜と言う感じの気温です。
暖房には手軽なエアコンが便利ですが、灯油のファンヒーターは、寒い部屋も一気に暖めてくれるので、使っている方も多いと思います。
でも、灯油のファンヒーターを使っている場合、今年の使い始めに、ちょっと気をつけなくてはいけないことがあります。それは「灯油」です。
昨シーズンに使い切れなかった灯油が、ポリタンクにまだ残っていたりしませんか? この、もちこした古い灯油を使うと、ファンヒーターが壊れてしまうことがあるんです! これはどうしてなんでしょうか?
今回は、石油ファンヒーターで使う「灯油」についての注意点をご紹介します。去年の灯油は何故使わない方が良いのか、また灯油の寿命や、残った場合の処分方法などを見ていきます!
昨シーズン余った古い灯油は今シーズンも使える?
先日家電量販店に、新しいファンヒーターを買いに行ったところ、「去年の灯油は使用しないでください、故障の原因となります!」という目立つ張り紙が、ファンヒーター全部につけられていました。以前ファンヒーターを購入していたとき、こんなにしつこい注意書きはなかったはずです。
もちろん、一般的な考えから言って、古い灯油はよくないんだろうな、というのは理解できますが、今まで昨シーズンから持ち越した灯油を使っても、特に問題がなかったのであまり気にしたことはなかったんですね。
その家電量販店で、新しいファンヒーターを買ったのですが、その時に店員さんにも「昨シーズンからの持ち越しの古い灯油を使うと壊れてしまうので、絶対に使わないでくださいね。」と念を押されました。ここまで徹底していると言うことは、壊れる例がたくさんあるんだろうなと思って、店員さんにきいてみたところ、やはり多くなっているので、注意喚起しているということでした。
実はその時、我が家には持ち越しの灯油があって、もったいなかったので、新しいファンヒーターに入れて使ってみたんです。そうしたら…なんと!煙が出ました!キャー!
すぐに古い灯油を抜き、新しい灯油で洗って使ったら、問題なく作動しました。最近のファンヒーターがやわなのかわかりませんが、やはり危険であることには間違いないようです。
ファンヒーターの灯油にも寿命があるの?
灯油にも寿命があります。ただし保管法によっても変わってきますので、何ヶ月というような目安はありません。一般家庭でのポリタンク保存であれば、やはりそのシーズンに使い切ってしまうのがおすすめです。
長く置いておくと、
- 日光(紫外線)による酸化
- 空気中の水分の混入
などが起こって、どんどん変質していってしまうんですね。安全第一でいくのが一番です。
ファンヒーターの灯油の変質を見分ける方法
灯油が変質してしまっているかどうか、見分ける目安があります。持ち越しの灯油が心配な場合は、チェックして見てください。ただし、「目安」ですので、気をつけてくださいね。
色
まずは、見た目をチェックして見てくださいね。
通常の灯油の色は透明です。しかし、劣化して変質してしまった灯油の色は、黄色や茶色に変色していますので、目視で判断できます。
(出典:国民生活センター)
方法は簡単です。透明のプラカップを2つ用意して、片方に水、片方に灯油を入れます。後ろに白い紙を立てて、両者の色を比べます。灯油が劣化している場合は、水に比べて色がついているはずです。
ただし、保管状態によっては、変質した灯油でも変色していない事がありますので、やはり早めの使用を心がけてくださいね。
臭い
臭いでも確認できます。灯油が劣化している場合は、すっぱい臭いがします。
変質した灯油をファンヒーターで使うとどうなる?
古くなって変質した灯油をファンヒーターで使うと、異常燃焼がおこったり、ファンヒーターが故障したりします。
灯油が酸化すると、タールという燃えにくい成分が発生するので、これがファンヒーターの内部の燃焼部にこびりついてしまいます。その結果、点火に失敗して、温風吹き出し口などから煙が出ることがあります。
また、単なる酸化だけでなく、空気中の水分などが入り込んでしまった場合は、燃焼が不安定になってエラー表示になって火が消えてしまったり、灯油の油受け皿にさびができたりします。
正しく燃焼しないと、使用中に有害な成分が発生したり、最悪一酸化炭素中毒の恐れがありますので注意が必要です。
最初にお話ししたように、我が家の場合は、火がつかず煙が出ました。前シーズンからなので、半年程度の保管だったはずですが、やはり、安全第一で新しい灯油を使うことをおすすめします。
古い灯油を使ったことが原因でファンヒーターが壊れてしまった場合は、保証の対象外であると説明書に書いてありますので注意してくださいね。
ファンヒーターの灯油の変質を防ぐ保管方法は?
色つきの灯油専用ポリタンクを使う
灯油の酸化は、日光(紫外線)によって起こるため、白いポリタンクよりも、赤や青などの色がついているポリタンクの方が、灯油の変質が防げます。ホームセンターやドラッグストアなどで売っている、灯油専用のポリタンクを使用しましょう。大抵、青や赤の色がついています。
酸化は、日光(紫外線)により起こるため、紫外線を通しやすい白いポリタンクよりも、赤や青などの色がついているポリタンクの方が、灯油の変質が防げます。JIS規格適合マークや推奨マークがついているとさらにいいですね。
灯油のポリタンクを箱や黒い袋で覆う
灯油は日光(紫外線)が当たることによって酸化してしまいます。ですから、できるだけ陽のあたらない場所で保管することが大切です。ポリタンクを屋内や箱に入れたり、黒い袋で覆ったりして、陽の光が当たらないようにしましょう。
数年ごとに灯油のポリタンクを変える
灯油のポリタンクは、ちゃんと灯油専用でJISマーク・推奨マーク付きのものであれば、品質的には問題ありませんが、やはり年数を経ると劣化します。
取り替えの目安は大体5年です。古いポリタンクを使っていると、灯油を劣化させてしまう恐れがあります。あなたのおうちのポリタンクが、もう5年以上のものであれば、買い換えも検討してくださいね。
灯油は使う量のみ買って、シーズン最後に使い切る
ファンヒーターの灯油は、なかなかぴったり使い切るのは難しいですが、シーズン終わり頃には少しずつ調節して、灯油があまらないようにしてください。
ガソリンスタンドや巡回灯油屋さんで買うときは、量を指定できますので、使いきれそうな量だけ買うといいですね。もう暖かくなってきたけど、ちょっとだけ足りなくなってしまった、という時は、エアコンなどに切り替えるのもいい方法です。
古い灯油の処分方法は?
シーズン中にうまく使い切れなかった灯油は、購入した灯油販売店や、ガソリンスタンドで処分してもらうことができます。
ただし、ガソリンスタンドはどこでも受け付けるわけではありませんので、一度電話をしてみるといいですね。その店舗でやっていなくても、同じ系列でやっている店舗を紹介してもらえます。
無料のところが多いですが、料金がかかる場合もありますので、持ち込む前に料金も確認しておくと良いですね。
古い灯油をさけて安全にファンヒーターを使おう!
昨シーズンの灯油を使ったからといって、必ずファンヒーターが故障するわけではありませんが、
- ファンヒーターを長持ちさせる
- あなたの健康に害を与えない
- 危険な目にあわない
ように、シーズン初めには新しい灯油を買って、ファンヒーターを使いましょう。
今年の冬も、安心してファンヒーターでぬくぬくしてくださいね!