夏になると、花火大会や夏祭りなどがあり、綺麗な浴衣を着て出かける機会が多くなりますね。なかなか和装をする機会はないので、ワクワクしている人も多いんじゃないでしょうか。
でも、あなたは「浴衣」と「着物」の違いは何か?と聞かれたら答えられますか?両方とも日本の素敵な装いであることには変わりありませんが、よくわかりませんね。
一体、浴衣と着物って何が違うんでしょうか…?見ていきましょう!
着物とは?
わたしたちが普段「着物」と呼んでいるものには、ざっと分けて以下のような種類があります。上ほどフォーマルで、下に行くほどカジュアルになります。
●フォーマルな着物
- 黒留袖
- 色留袖
- 振袖
- 訪問着
- 付け下げ
- 色無地
●カジュアルな着物
- 小紋
- 紬
- デニム・木綿
- 浴衣
浴衣とは?
上の着物一覧でわかるように、浴衣は着物の種類の一つです。着物にはいろいろな種類がありますが、その中でも浴衣は、一番カジュアルなタイプの着物なんですね。
「浴衣」という名前の通り、もともとは、お風呂に入った後に着て、夕涼みをしたり、寝間着にしたりしていました。それゆえ、裏地がついておらず、下着の上に直接着用します。生地は木綿に染めの柄が入った物で、汗の吸いもよく、リラックスするときに着る着物なんですね。
これが、現代では外に着ていくおしゃれ着としての役割のほうが強くなって、夏祭りや花火大会などに着ていく、綺麗な柄の外出用の浴衣となったんですね。
着物と浴衣の違い
着物の種類の中では、浴衣は他の着物に比べて、かなり違いがありますので、ここでは「浴衣」と「他の着物」のくくりで、違いを見ていきたいと思います。
生地・素材
【浴衣】上でご説明したとおり、浴衣はもともと、夏のお風呂上がりに夕涼みをするときに着るものですので、素材は木綿で吸水性が良く、薄手で素肌に着て気持ちいい素材でできています。
【他の着物】絹・木綿・麻・毛・化繊などいろいろです。
着用する場面
【浴衣】基本的には6月〜9月頃まで、夏の時期に着用します。また、夏祭りや花火大会など、近所のカジュアルな場所程度までが、着用範囲です。
【他の着物】フォーマルな場面で着る物と、カジュアルな場面で着る物とがあります。フォーマルな着物であれば冠婚葬祭など、どんなきちんとした場面でも対応できます。また、カジュアルな場面で着るものでも、浴衣よりは着ていける範囲が大きくなります。また、生地にもよりますが、1年中着用することができます。
中に着用する物
【浴衣】浴衣はもともと、お風呂上がりの汗取り、夕涼みのためのものですので、下着の上に直接着用します。この点から見ても、やはりかなりカジュアルで、気軽に着ることのできるのが浴衣というわけですね。
【他の着物】着物を着る前に、肌襦袢(はだじゅばん)という着物用の下着のようなものを着ます。そして、長襦袢(ながじゅばん)という、薄い生地でできた着物を1枚着ます。こちらは着物の襟や袖からちらりと見えるものです。1枚で着る浴衣と違い、他の着物の場合は、しっかり重ね着をしているんですね。
足に履く物
【浴衣】浴衣の時は、足は裸足に下駄ですね。やはりカジュアルです。
【他の着物】基本的には足袋をはきます。
浴衣でなく夏着物も着てみよう
夏に着物を着たいけれど、浴衣だとカジュアルすぎてちょっと…というときは、夏用の着物を着てみるのもいいですね。
夏祭りなどで、浴衣とはちょっと違うな…という感じの着物を着ている人を見かけますよね。あれは夏用の着物なんです。
薄くて透け感のある生地を使っているので、見た目もとても涼しげです。また、色や柄も豊富で、浴衣よりも断然お洒落で素敵です。もちろん、花火大会や夏祭りだけでなく、昼間に街中にも着ていける着物です。ぜひチャレンジしてみてくださいね。
浴衣で夏を楽しもう
浴衣は基本的に夏にしか着られませんので、今年の夏も、花火大会や夏祭りなどのイベントには、積極的に着ていきたいですね!
ただし、浴衣はフォーマルな場には着ていくことができない、カジュアルな装いであると言うことは、憶えておいてくださいね。
今年も可愛い浴衣を着て、楽しい夏の思い出をたくさん作りたいですね!